2016年10月28日金曜日

新記@三宿 コク深い潮州料理

J-Waveで知ったお店。トークを聞いてたら「こりゃ、うまいでしょ」と確信。が、案外、三宿に行くことがなく、行っても午前中だったり。そしていよいよ、そのときがやってきた。

三宿交差点、松屋の2階。ちょいとディープな雑居ビルにある名店。

小ぶりで、年代物のエレベーター。


階段脇には、レトロな香港の写真たちが。

そして、お店入口。

極細だという香港麺と、小籠包を頼んだ。

その場で書いておかないと、すべて忘れる昨今、麺の名前が思い出せない。カレー味だったような気もする。とにかくコクがあって、メチャクチャおいしい(食レポは、ムリね。これじゃ(°▽°)。

香港麺の極細感もハイパー。

「もし、1時間後に大地震が来たとして、その瞬間、あのコクのあるスープでおじやを食べておけばよかった!」と後悔することなどないように、半ライスを追加注文。炭水化物天国となる。

大地震は今のところ来てないけれど、後悔はしていません。絶品。

いま、食べログのレビューを読んでたら、虎ノ門や四谷三丁目などにも支店があることが、発覚! こっちの方が、行きやすいかも。

改めて、おいしいものって、いっぱいあるコトを実感。胃袋はひとつ、食べたいゴハンは、無限。欲は、尽きない。

追記:食べログもいいけど、お店のオフィシャル・サイトに簡潔に書かれた歴史を読むと、静かな情熱が伝わってきます。







2016年10月20日木曜日

Coccoライブ@人見記念講堂

つつみこむような、やわらかさで始まったライブ。ザクザク尖ったCoccoは、中盤ごろ現れたけど、全体的には伸び伸び、おおらか、おだやかな印象。しなやかで。

そのミュージシャンの、どの時期に観るのかによって、ライブの印象は全然変わってくる。

デビューしてすぐの、先物買いが好きだったのは、小さなライブハウスで、荒削りな、野望がメラメラ燃えるプレイが目の前で繰り広げられるから。

でも最近は、熟してきたミュージシャンの、ホール公演もいいなと思うようになった。

Coccoは観たいと思いつつ、タイミングがあわないまま活動休止になっちゃった。2年前に「ジルゼの事情」という舞台を観に行き、Coccoワールド全開だったけど、2曲位しか歌わなかったので、今回は「歌」三昧。

裸足。白いミニ・ドレスで、妖精みたい。

活動休止から、徐々に音楽シーンに戻ってきた彼女。ライブでは、一言二言しか喋らず、歌のみ。トークの世界観もすごいけど、歌でまとめあげたのね。

アンコールなし、たっぷり2時間のライブは、アンコールがないのが極めて自然なコトのように、完結されていた。潔く。

立体感と奥行きがある照明も、素晴らしくキレイだったなぁ。ここ数年、ホール公演の照明は、劇的に進化している気がする。それも楽しみのひとつ。

人見記念講堂は、人生初。1980年に造られたということで、昭和ムードが漂う重厚ムード。最近は、クラシック以外の公演が増えているようだけど、こういう「場所」は貴重。壊したりしないで、音楽家たちのスピリッツを受け継いでいってほしいと、しみじみ思いました。

写真は「沖縄のウタ拝」より





沖縄といえば海、海つながりで、週末の千葉の海写真(^_-)











2016年10月14日金曜日

映画 エル・クラン

1980年代前半のアルゼンチン。独裁政権が崩壊し、平和が訪れたかに見えるが、混沌とした時代、金持ちセレブを狙った誘拐が多発。誰が? 何のために? 実話に基づく、驚愕の物語がいま幕を開ける!

「犯人」は、プッチオ一家。父、母、3人の息子、2人の娘、ごく普通の大家族。しかしフォークランド紛争の「結果」により政府が転覆してしまい、情報管理官だった大黒柱の父が失業したことをキッカケに、誘拐ビジネスに手を染めてしまったのだ。

長男はラグビーのスター選手。よりによって息子のチームメイトの友人を誘拐し、なんと!自宅に監禁。妻が作った食事を持って、淡々とした表情で階段を上っていく父。2階には、特別に作られた「監禁部屋」が存在していたのであった。

50万米ドルの身代金を手に入れたにも関わらず、父は息子の友人である人質を殺害してしまう。

「なぜ、殺したんだ」

「お前の関与を疑って、警察に訴えようとしたからだ」

鋭い眼つきでキッパリ答える父。

そして次の誘拐の実行には、長男も加担することになる。しかし、彼に恋人ができ、誘拐ビジネスから離れようとしたことで軋轢が生まれ、事態は思わぬ方向へ。そして衝撃のラストシーンが待っていた!

シネマカリテ、がんばってます(^^)v
ロビーには、作品に因んだ手作りグッズがたくさん展示されている。ポップもかわいく、映画への愛が感じられるんだにゃ。「新宿駅隣り」絶好のロケーションで奮闘するミニ・シアター。応援してます。



いつもなら、ここまでなんだけど、あまりにも衝撃的なラストだったので、ネタバレを書くことにした。観ようと思った人は、下までスクロールせず、新宿シネマカリテへ!10/21(金)まで絶讃上映中です。順次全国公開中!
そうそう、製作はあの!ペドロ・アルモドバル監督。彼のテイスト、満開だ。

ま、観ていて楽しい映画ではないけれど、こういう映画が製作され、日本でもしっかり公開される自由と多様性が存在するってことは、とても大切なこと。大作ばかりがもてはやされる昨今だけど、一人でも多くの人に、ミニ・シアターに行く生活習慣ができるといいにゃと思う今日この頃。

家のテレビでこういう映画を観てるとき、ミッケがニャ~とか鳴いたら、台無しだし、映画に入りこめるのは、やっぱり映画館(^^)


以下、スクロールするとネタバレ。






























4人めの人質は、年配の女性(もちろん金持ち)。しかし彼女の家族は身代金の支払いを渋り、監禁生活は長引く。人質も犯人も疲弊していくが、政情も変化していた。

ある晩、警察がプッチオ一家に強行突入。人質を救出し、一家全員がいったん逮捕されるが、父と長男、次男以外は釈放。

「あなたが有罪を認めれば、息子さん達は無罪放免となるだろう」

罪を認めることを勧める弁護士に、父は無表情で言い放つ。

「私は無罪だ」

父は姑息な手段を使って、生き延びようとし、絶望した長男は自殺を図るが、失敗。

ラストシーン。真っ黒なスクリーンに、その後の家族の運命が語られる。

長男は獄中でも何度となく自殺を試みるが、果たされず、若くして病死。

次男は釈放後、ブラジルやカリブ海を放浪していたようだが、インタビューは実現せず。

美術教師だった長女も、若くして病死。

次女は親戚に引き取られたが、後には母と暮らす。

母は存命だが、取材には応じず。

そして父は、刑務所で弁護士の資格を取り、釈放。出所後、若い女性と再婚...。

眼つきは鋭過ぎるが、末娘の宿題を手伝うような、心優しい父。もとはといえば、家族思いだったからこそ、失業後、家族のために「ビジネス」を始めたんだろう。

だからなのか、父は、本気で自分は無罪だと思っていたよう。

でも、自分の息子に罪をなすりつけるような言動には、思わず背筋がゾクゾク。息子の将来を奪ってまで、自分だけ生き延びようとするなんて。

なんて、キレイゴトかもしれないな。人間って、複雑だから。

ただ、息子、特に長男との間には、一緒に「ビジネス」をしていたときから、奥底に確執が潜んでいたような気もする。

当時のアルゼンチンの政情も複雑極まりなくて、アルゼンチン人に訊いても、話したがらなかった。プライドが高いアルゼンチン人にとって、葬ってしまいたい、暗黒の時代なのかもしれない。

ひとつ言えるのは、1970年代後半から1980年代にかけての軍事独裁政権下で、多数の「行方不明者」が出たということ。数もはっきりせず(ウィキペディアによると、9,000~30,000人)、どこに行ったのかもわからない。反体制派を中心に、多くの人々が消えてしまったのだ。

このあたりのことは、映画「オフィシャル・ストーリー」「タンゴ ガルデルの亡命」で描かれてます。

本作品「エル・クラン」のパブロ・トラペロ監督は、1971年生まれだそう。自分の国の黒い歴史を残しておかなければ!といった使命感に突き動かされて、この映画を作ったのかも...なんてことを、ふと思ったりした。

すごい映画だったな。館内が明るくなっても、立ち上がれないくらいに。



以上です。














2016年10月7日金曜日

山下達郎 超プレミアムなアコースティック・ライブ@新宿ロフト

「よく当たりましたね」

その夜、ステージに登場した彼は、開口一番、客席に向かって言った。

「ここ新宿ロフトは、スタンディングなら500人のキャパ。今回のライブは椅子席を入れたので、余裕を持って225人に設定しました。つまり2日間で550人。eplusへの応募は3万組あったそうですよ。(一人2枚までなので最大)6万人。100倍以上の倍率です。おめでとうございます」


ある日、eplusから「 【山下達郎】新宿LOFT公演 カード決済限定抽選受付のご案内」というメールが届き、なんと!彼がライブハウスで歌うという。


ホール公演でさえハズれていたので、当たるとは思わなかったけど、とりあえず申し込み、忘れてたら、「チケットをご用意いたしました」という淡々としたメールが!



何度も読み直してみたけど、何度も見ても当選。何度も読んでるうちに、心臓がドキドキしてきた。


入場待ちの間、隣りに並んでた女性も「当たると思わなかった」って言ってた。忘れてるほうが当たるのにゃ。当たるってわかってたら、誰かに声をかけたのに。もったいない気持ちがこみ上げたのは、当たってから。一人で来ている人が多い印象だったな。みんな当たると思わないから、とりあえず自分だけ応募するパターンが多かったのかも。


普通、ライブの入場時は「整理番号50番から60番の方、お待たせしました」ってな感じで、10番か、せいぜい5番ごとに呼ばれるけど、今回は1番ずつ。特別にお呼ばれしたような、プレミアム感が増していく。


並んでいる間話し相手だった女性が「行ってきま~す♪」と勢いよく去ってしまうと、歌舞伎町のハズレの路上で、123番を待つ。あたりの風景は、こんな感じ。


「このビル、新宿ロフト以外のテナントは、すべてホストクラブ」って、達郎がMCで言ってたっけ。




普段のライブは10人編成だそうだけど、今回は達郎のギター、ベース、ピアノの3人。


で、椅子席は、これぞホンマもんのかぶりつき。最前列だと、達郎との距離は2m前後か。


「椅子席の方々、硬いですね~。リラックスしてくださいね」。


と彼は何度か声をかけてたけど、ツバ直撃の至近距離。そりゃ固まるわ。


1曲めは知らない曲だった。

2曲めは "Paper Doll"

この曲、高校生のころ、よく聴いたな。バイト先の友達からレコードを借りて。

あのころから今までが、どわーっと、怒涛のように駆けめぐる。遠い昔の歌が、2016年に目の前で演奏されているフシギ。


彼いわく「なーんだ、普通の構成だよね~と言われることもなく、知らない曲ばっかりだと言われることもないような、マニアにも万人にも受け入れられる選曲にした。なおかつ3人で演奏してサマになる曲(様々な試行錯誤、3人演奏に向く曲、向かない曲について、達郎節炸裂!トーク続く、続く)」。


涙が出たのは、アカペラ・コーナーで "So Much In Love" を歌ったとき。心底聴きたかった曲。


「このくらいの広さならいけるだろ」と言いつつ、マイクなしのアカペラを披露したり、カラオケで新曲"Cheer Up! The Summer" "硝子の少年"を歌ったり、何が飛び出すかわからないオモチャ箱状態。


そう、決して事前に詳しいブログを読んではいけないのにゃ。


あたしは万人ウケ派なので、"Bomber"とか"Ride On Time"は、うれしかった。"クリスマス・イブ"も。


まあ、歌もすごいけど、トークもすごい。ときどきボヤキながら、語る、語る。ロフトの社長との出会い、社長の政治的信条、達郎の政治観、もちろん音楽関連もたくさん。「ツイッターで呟かないでね」とか、はさみつつ。


彼が何度も繰り返していたのは、「ロフトはボクの音楽のゆりかご」という表現。そういえば、シュガー・ベイブの解散コンサートの舞台となったのは、荻窪ロフトだった!


「ボクはサブカルの出身。運よくミュージシャンとして成功したけど、うまくいかなかったらライブハウスのスタッフになっていたかも」


「昨日は『佐渡おけさ やって~』とか『いい顔してるね~』とか言ってくる人がいて、今晩のほうが気持ちよく歌えた」


「何万人もの観客を前にしてライブを成功させる人が、100人を前にしてうまく自分を表現できるとは限らない。一番むずかしいのは、一対一のコミュニケーション。例えば太鼓持ちの芸はすばらしいけれど、観客が少な過ぎて音楽の歴史に残らない」


「(クリスマス・イブしかヒット曲がない)一発屋の流行歌手だと思っている人もいる」


「お陰様でよく声が出ているから、声が正面に当たって跳ね返ってくるくらい。でもいつ声が出なくなるか、ボクたちくらいの世代のミュージシャンは、みんな心の奥では不安に思ってる。あの人だって(矢沢永吉のポーズか?!)同じ。だから、身体に気をつけて、人生を楽しみましょう」


最前列が背の高い男性で、首の動きによって、見えつ隠れつ。いつものライブハウスの風景だけど、垣間見えるのは山下達郎で、彼の声が聞こえてくるフシギ。モーゼの十戒のように、突然視界が開けたり。


ライブが正味3時間、入場待ち、ライブ開始待ちも含めると計4時間立ちっぱなし!終わって、松屋でハンバーグ定食はしっかり食べたけど、家に着いたら全身脱力。


伝説のライブハウス新宿ロフトだって、今となっちゃ場内禁煙。開演前「お煙草をお吸いの方は喫煙所でお願いします」と、気弱な若者の声が聞こえてくると、時代は変わったなぁと思う。でも変わらない確かなものも、受け継がれていくんだと、確信した夜でした。骨太に。


(敬称略)


追記: 録音したわけじゃないので(^^;;彼のコメントは大意です。


2016/10/04 @新宿ロフト